楽器を習うとどんな良いことがあるのか
モーツァルトを聴くと頭が良くなると話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
音楽の効果は脳科学や心理学の世界でも賛否両論で今も数多く議論が繰り返されている話題になります。
身体的得られる音楽のメリット(音楽を学習すると言語能力があがる、脳機能が演奏で高まるetc)は、今後ブログの方で紹介していきたいと考えているので、ここでは、
「これからの社会で生きていくために音楽を学んだ方が良いと考える理由」
についてお話ししたいと思います。
役に立つ人間より価値がある人間が求められる
日本のコンビニの数は2019年3月の時点で58340店あるそうです。
毎日のようにコンビニに行く人も少なくないのではないでしょうか。
今回はそんな身近なコンビニの話を例に「役に立つもの」と「理由があるもの」についてお話ししたいと思います。
皆さんはコンビニでハサミやホッチキスといった文房具を買ったことはありますか?
多くのコンビニではこれらの文房具は1種類ずつしかおいてありません。
理由は簡単で、色々なものを売っているコンビニの棚は厳密に管理されていて、余分なものが置けないからです。
コンビニのハサミに求められているのは切ること、ホッチキスに求められているのは紙をとめることなので、求められる機能が備わっているものが1つあれば充分であり、1種類しか置いてなくてもお客さんが文句を言うことはありません。
なのでほとんどのコンビニに定番商品1つ置いてるだけになっています。
そんなコンビニに200種類以上売っているものがあります。
タバコです(ちなみに私はタバコを吸いません)
1種類しか売っていない文房具と200種類以上売っているタバコの差は何でしょうか。
それはタバコが「役には立たないが、1人1人に選ぶ理由がある」ものだからです。
例えば憧れの人がセブンスターを吸っていて、真似してセブンスターを吸いだした人にとって、マルボロなどの他の銘柄ではなくセブンスターを吸う事に意味ががあります。
どの銘柄でも同じことを言うことが出来、タバコを吸う人それぞれに1人1人にそのタバコを吸うストーリーや理由があります。
「理由があるもの」は性能で選ぶのではなく1人1人に選ぶ理由やストーリーがあり代替出来ません。
それぞれにとってのオンリーワンなものだからです。
しかし「役立つもの」は違います。
もしコンビニに1種類ではなく2種類、「良く切れる定番のハサミ」と「まあまあ切れるハサミ」が売っていたとしたらどちらが売れると思いますか?
間違いなく「良く切れる定番のハサミ」だと思います。
「役立つもの」はNo.1のものが選ばれ、No.2以下のものは必要とされなくなっていくのです。
これは人間でも同じことが言えると思います。
計算が早かったことを売りにしていた人は電卓の登場で、物知りを売りにしていた人はGoogleの登場で、問題解決が得意な人はこれからAIの成長で、自分より優れたものが出てきた時「役立つ人間」は必要とされなくなります。
そうならないために誰かにとってのオンリーワンである「応援したくなる理由がある人間」を目指すことが大切だと思います。
「応援したくなる理由がある人間」とは、何かに挑戦していたり、打ち込んでいるものがあったり、愛橋があったり、共感出来たり、仲間がたくさんいる人間です。
そして「応援したくなる理由がある人間」になるための要素の1つが「役に立つもの」ではなく「取り組む事に理由がある」ことに取り組んでいくということだと思います。
ここからようやく本題の音楽を学ぶべき理由をお話しします。
例えば子どもにとって「役立つ習い事」を考えたとき1番最初に思い浮かぶのが、塾や英語といった勉強系の習いごとではないでしょうか。
もちろんこれらの習い事は子どもたちの役には立ちます。
埼玉県は塾に通っている子どもの数が全国1位というデータがあり、私の中学生の時や中学生の弟の周りを見ても
ほとんどの人が塾に通っていました。
最近では音楽教室で有名なYAMAHAさんも塾に挑戦しているほどです。
ただ塾に行っているからといって「応援したくなる理由がある人間」になれるでしょうか。
塾で勉強するだけでは「役に立つ人間」にはなれるかもしれませんが「応援したくなる人間」になるのは難しいと思います。
しかし塾でもある要素を使えば「応援したくなる人間」になることが出来ます。
「応援したくなる理由がある人間」になるためのもう1つの要素「ストーリー」です。
「昔、知り合いを亡くしてどうしても医者になりたくて必死に勉強している」といったようなストーリーがあれば確かに応援してもらえるでしょう。
ただ全員がストーリーを持てるかと言ったら難しいですし、モチベーションを保つことも大変です。
もし塾ではなく、楽器の習い事をしていたらどうでしょうか。
楽器が弾けても、塾で成績を上げる事と比べると役に立たないかも知れません。
しかし楽器の演奏は、全員が出来ることではないですし役に立たないからこそ応援してもらえる理由があります。
それは人がやらない、役に立たない事に一生懸命取り込んでいることは「1人1人取り組んでいる理由」があり、その理由が「ストーリー」になるからです。
塾とは違い役に立たない事を習っているだけで自然とストーリーが生まれます。
「嫌々習わされていたけど、辞めるタイミングを失って今の演奏が出来るようになった」
「小さい頃に音色に惹かれて始めた」
など始めた理由、頑張っている理由がストーリーになるのです。
そしてそのストーリーと、楽器練習を頑張っているという事実が「応援したくなる理由」になるとおもいます。
ただ「応援したくなる理由がある人間」と言われてもピンと来ない方の為に、次は楽器を習う事で生まれたストーリーが具体的に役に立つお話しをしたいと思います。
ストーリーが役に立つ時代に
9つ離れた弟がいるのですが弟は中学校でとても良い成績をとっていました。
兄である私の勉強の教え方が素晴らしかったことが大きかったと思います。
冗談です。勉強を教えたのは事実ですが弟本人の頑張りが大きかったと思います。
2019年はそんな弟の高校受験でした。
弟は中学校の成績を活かして自己推薦というものを使い受験しました。
自己推薦というのは、テストはなく作文と面接のみで行う受験です。
そんな制度があることに驚き、私も弟のために受験について調べたり高校の説明会に保護者として行ったりしました。
僕が受験の頃はあまりそのような制度はなかった記憶があるのですが、調べてみると自己推薦という制度は確実に増えているようです。
またこれからの時代に注目されていくのは「人間力」と様々な学校や塾のパンフレット書いてありました。
「人間力」とは、これまでどういう人生を歩んできたのか、どんな人間なのかということだそうです。
そして「人間力」は紙の試験で測ることが出来ないのでこれからの試験はますます面接が増えていくようです。
では、面接で「人間力」をアピールするにはどのようしたら良いでしょうか。
それは「ストーリー」です。
自分がこれまでどんな事を一生懸命取り組んできたのかというストーリーをいかに語ることが出来るか。これがこれからの受験や面接で必須な能力になります。
弟も小さな頃から取り組んできたプログラミングの話や、僕や妹の家族の話を面接ではたくさんしたようです(家は皆変わっているのでウケがよかったそうです)
ここでまた楽器を習うことのメリットに戻りますが、先ほど楽器を習うと「ストーリー」と「応援したくなる理由」が出来る話をしました。
まさにその2つがこれからの受験に必要になる能力だと思います。
また最近の受験ではこれまで頑張ってきたことの資料など提出を求められます。
「川越バイオリン教室」では、レッスンノートを配布しているので努力の証拠が残るのでそのノートを提出することも出来ます。
今度ブログで紹介予定ですが、楽器を習うと言語を扱う能力が発達することが最近の研究でわかりました。
楽器で育った言語能力は面接で役立つこと間違いなしです。
またバイオリンは持ち運び自由ですので学校によりますが面接で披露することも出来ます。
これからの時代にバイオリンを習うことは間違いなく強みになるのではないでしょうか。
最後に
ここまでバイオリンがいかに役に立つかという話を持論を交えながらお話ししてきましたが、音楽を習ういちばんのメリットは人生が豊かになることだと思います。
辛い時も、楽しい時もバイオリンと共にここまで生きてきて、バイオリンがなかったら全然違う人間になっていたと思います。
もしもう一度始めから人生をやり直すとしてもバイオリンは弾いていたいと思います。
バイオリンと共に過ごす素敵な人生をおくってみませんか?