何故1個治すと1個出来ないが起こるのか

目が見えなくなる

まずはこの動画をご覧ください。

もともと有名な実験を再現したものになります。

実験内容紹介

どのような実験かというと、

1、白チームと黒チームに別れて入り乱れながらバスケットボールをパス回しする。

2、白のチームのパスのみを数える。

と言った簡単な内容になります。

この実験の目的

動画を観た方はわかると思いますが、実はこの動画の途中でゴリラの着ぐるみが現れます。

しかし、大体の人が白チームのパスの回数を数えるのに必死になりゴリラの着ぐるみという異質な存在に気づくことが出来ません。

終わってから、実験者がゴリラの存在を説明しネタバラシしたところ被験者は信じなかったそうです。

この実験から2つのことがわかると言えると思います。

1つ目は人は何か1つに集中してしまうと、ゴリラの着ぐるみというものにも気がつくことができないということ。

2つ目はそのことにすら気がつくことが出来ないということです。

僕はこの実験を知りあることを思い出しました。

レッスンでよくある風景

先生に1つのことを注意されました。

その場で言われたことをなんとか治そうと一生懸命演奏するものの今度は今まで出来ていたことや、前に注意されたことが出来ず怒られた。

こういうことが実際に先生にレッスンを受けている時、もしくは僕がレッスンしている時によく起こります。

ゴリラの研究を知った上でこのレッスンでよくある出来事を考えると、

白チームのパスを必死に数えようとする=注意されたことを必死に治そうとする

普通に観ていれば絶対に気付くはずのゴリラの着ぐるみ=普通に弾いていれば間違えるわけないもの

と言えるのではないかと思います。

対策

どのように対策したら良いのかというのは、科学的な答えが出ているのか僕にはわかりません。

僕が生徒にそうならないようにする方法として伝える対策法は、

1、正しく弾くことを身体に染み込ませる

2、注意したことに全て意識が持っていかれがちなことを意識する

3、他の注意しなくちゃいけないところも演奏前に確認する

という3点を意識するように指導しています。

次回の記事で「1、正しく弾くことを身体に染み込ませる」とはどのようなことなのか解説したいと思います。

バイオリン講演奏家長又允希

「禅」から学ぶ!たった10分で集中力爆上げする方法

たった10分で集中力が上がる禅のテクニックを紹介します。

数息観

1、背筋を伸ばし、前方1.5mのあたりをぼんやり見る

2、吐く息を数える

3、吐く息を数えたらまた1まで戻る

4、息を数え続ける

注意点

意識がそれたら静かに呼吸のカウントは意識を向ける

効果

マインドフルネスの効果あり(いま目の前のことに集中できるように、先のことや過去のことに振り回されなくなる)

集中力アップ

マルチタスク防止(同時に複数の作業をしてしまっている状態。大麻と同じくらいIQを下げるかもというデータもある。)

使用方法

練習や本番集中したい作業の前に10分間

たった10分作業の前に数息観をしただけで集中力が改善したというデータがあります。

また、普段から落ち着きがない人、マルチタスク気味の人ほど効果が大きいようです。

毎日数息観を行う

2014年の研究では、4週間のトレーニングでマインドフルネスと集中力が高まったというデータがあります。

何にでも集中できる集中力を持ちたいと思ってる方は4週間トレーニングしてみてください。

数息観で集中力が上がる理由

人は永遠に集中することが出来ません。

数息観中も呼吸を数えること以外に意識がいってしまうことがあるでしょう。

その時、意識が呼吸から逸れたことに気付き呼吸を再び数え直すということが大事になります。

その行為が注意力の強化につながり集中力アップ出来ると言われています。

今回の記事は以上になります。

詳しく研究の内容等知りたい方はパレオな男ブログに数息観の研究が載っているので参考にしてください。

バイオリン講演奏家長又允希

人は「喜び」を経験することと「恥」を避けることどちらに高い金額を払うとおもいますか?

演奏家として呼ばれたものの、練習はしていたのにミスだらけ。

おまけに先輩、後輩、同期が聴いていた。

そんな経験を2度としないで済むとしたらあなたはいくら払いますか?

感情に値段をつけるとしたら…

この実験はロンドンと香港で行われたもので、「幸福感」や「恥」といった8種類の感情をもう一度「味わう」か「味わうのを避ける」ためには2ドル〜200ドルの間でいくら払っても良いと思いますか?と実験参加者に質問していくものです。

この研究を見つけた本に参考文献がなく元の論文が見つかっていないため正確ではないかとしませんが、8つの感情に値段をつけてもらうためどのような質問を行なったのか紹介するので、この記事を読んでる方も自分ならいくらくらいの値段をつけるかなと考えてみてください。

8つの感情と実験での質問

幸福感「あなたがこれまでの人生でこの上もなく幸せだった特定の時のことを思い出してください 。その時の気分をもう一度味わうために 、 2ドルから 2 0 0ドルの間で 、いくら払ってもいいと思いますか?」

静かで穏やかな気分「あなたがこれまでの人生で1番静かで穏やかな気分だった時のことを思い出してください 。その時の気分をもう一度味わうために 、 2ドルから 2 0 0ドルの間で 、いくら払ってもいいと思いますか 」

興奮「あなたがこれまでの人生で1番熱狂な興奮を感じた時のことを思い出してください 。その時の気分をもう一度味わうために 、 2ドルから 2 0 0ドルの間で 、いくら払ってもいいと思いますか 」

愛情「あなたがこれまでの人生で愛情を感じたりときめいた時のことを思い出してください 。その時の気分をもう一度味わうために 、 2ドルから 2 0 0ドルの間で 、いくら払ってもいいと思いますか 」

後悔を避ける「あなたが強く後悔している具体的な出来事を思い出してください 。もう一度あんな気持ちを味わうことを避けるためなら 、いくら払いますか ? 」

恐怖を避ける「あなたが1番恐怖を感じた事を思い出してください 。もう一度あんな気持ちを味わうことを避けるためなら 、いくら払いますか ? 」

恥を避ける「あなたがひどく恥をかいた出来事を思い出してください 。もう一度あんな気持ちを味わうことを避けるためなら 、いくら払いますか ? 」

悲しみを避ける「あなたが今までで1番悲しかった具体的な出来事を思い出してください 。もう一度あんな気持ちを味わうことを避けるためなら 、いくら払いますか ? 」

以上の質問になります。

例えば「静かで穏やかな気分」だったら、整体で気持ちよかった時やピクニック、公園でのんびりしてウトウトしていた時などを思い出してください。

また「恥」をかいた出来事だったら、人前での失敗など思い出したら良いのではないでしょうか?

実験の結果

では、香港の実験でつけられた価格の平均を発表していきましょう。

静かで穏やかな気分 4 4ドル 3 0セント

興奮 6 2ドル 8 0セント

幸福感 7 9ドル 6セント

恐怖心を避ける 8 3ドル 2 7セント

悲しみを避ける 9 2ドル 8 0セント

恥かしさを避け 9 9ドル 8 1セント

後悔を避ける 1 0 6ドル 2 6セント

愛情1 1 3ドル 5 5セント

このような結果になりました。

ちなみにイギリスで同じ実験が行われた際つけられた価格平均は、香港での実験とほぼ変わらなかったようで、このことから国は関係なくどこでもこのような結果になるのではないかと言われています。

この結果から、

愛情>ネガティブな感情を避ける>ポジティブな感情

という順に人は高い価格をつけていくことがわかりました。

また、この結果からもう1つ面白いことがわかるで紹介します。

他者

僕も研究を見ただけだと気づかなかったのですが、ネガティブな感情の方に高い値をつけるということ以外に「他人が関わってくることに高い値をつけている」という共通点があります。

愛情を感じたりすることは相手がいなければもちろん出来ませんし、恥や後悔したことを思い浮かべてもらった時に、対人関係のことや人前での失敗などをあげる人が多かったようです。

愛情も、恥も、後悔も他人からどのように見られているかということが関わってくる感情だと言うことから、

は他人から自分がどう見えるか、そしてどのように思われたかと言うことを意識し、他人に悪く思われないため、もしくは愛情を再び感じるためには高い価格を出すと言うことではないかと研究で言われています。

まとめ

人はネガティブな感情を避けること、ポジティブな感情を再び感じること、愛情に値段をつけるとしたら、

愛情>ネガティブな感情を避ける>ポジティブな感情

と言う順番に高い価格をつけることがわかりました。

また高い価格をつけられた感情(愛情、後悔を避ける、恥を避ける)はどれも他人が大きく関わってくる感情だということから、人は自分の幸せなど内側から感情よりも、他人がどのように自分を見ているのかということを気にしてしまうということもわかりました。

お金がないのに見栄を張って上がってしまったり、無理をしたカッコつけなどが典型的な例かなと思いました。

ネガティブな感情を避けるためにお金を使うというのは予想できましたが、自分が他人が関わってくる感情に高い価格をつけることは全く予想できていませんでしたし、意外でした。

ブログ書いたり、人の相談に乗った時に意識してみようと思います。

参考文献ネガティブな感情が成功を呼ぶ https://www.amazon.co.jp/dp/B017XHTFX0/ref=cm_sw_r_cp_api_i_cF9PCbDB6MKR6

バイオリン講演奏家長又允希

強すぎるメンタルの災難

今回も不安にまつわる研究紹介です。

性格と有能さ

今回紹介するのは以前紹介したビッグファイブに関連する記事です。

ビッグファイブとは簡単に説明すると科学的に根拠があるとされている唯一の心理テストで世界中で利用されています。

今回の研究はジョージア大学が行なった研究でビジネスマン1258人のビッグファイブを測定し、仕事仲間が評価した普段の仕事ぶりをビッグファイブテストの結果と比較するといったものになります。

研究について詳しく知りたい方は、「パレオな男」をお読みください。

このブログは、メンタルに焦点を当ててお話します。

メンタルが強すぎた場合

結論から言うとビッグファイブテストでメンタルが強すぎると診断された人の仕事ぶりは、メンタルの強さゆえに不安を感じないため、備えを怠ったり予期せぬ事態の対策をしないことが多く、仕事のパフォーマンスが下がってしまっていることがわかりました。

一般的には、メンタルは強ければ強いほど良いと言われていますが、強すぎてもダメだということがこの研究からわかります。

普段僕も人前で演奏する前に練習したり、講演奏会で話をする前は何度も資料を読み直したりしますが、確かにそれは不安を感じているからです。

音楽家がたった数分の演奏時間のために何十時間かけて練習出来るのも「このままではお客さんに喜んでもらえないのではないか」「今のままじゃあ失敗するかも知れない」という不安を感じているおかげではないかと研究を読み思いました。

もし僕が不安を全く感じない人間だったら練習を全然していなかったかも知れません笑

音楽に限らず、スポーツや他の芸術、勉強でも「ま、大丈夫か、なんとかなるだろ」と考え真剣に取り組まなければ成果が出ないと思います。

努力には不安が欠かせないのかもしれません。

不安に悪いイメージしか持っていない人は是非自分の過去に振り返り「あの時不安だったから頑張れたな」と思えることがなかったか考えてみると良いのではないでしょうか??

バイオリン講演奏家長又允希

辛い病気も解釈次第では?という話を紹介

昨日に引き続き「不安」は解釈次第!という内容です。

統合失調症

「統合失調症」という病気をご存知でしょうか?

主な症状としては、幻覚が見えたり妄想にとらわれてしまうといったものがあります。

幻覚や妄想がどんなことかというと、人が自分の悪口を言っているように感じたり、すれ違った人が襲いかかってくる気がする感じです。

本当に辛い病気として知られています。

アフリカやインドで統合失調症にかかると

アフリカやインドにも統合失調症はありますが、この病気にかかっても「人の悪口がずっと聞こえる」といった症状はないそうです。

理由はとても簡単で統合失調症にかかった人が聞こえる声は神の声だと考えられているので、

「神の声が聞こえるようになった」

と統合失調症の人は言います。

西洋や日本では、

どこからか声が聞こえる→悪口だ

となるところが、

どこからか声が聞こえる→神の声だ

となり、悪口がずっと聞こえるといった幻聴や妄想に捉われることがないそうです。

今回この話を紹介したのは、病気の症状が変わるほど解釈の影響力が強いということを知ってもえたのではないでしょうか。

次回、不安を具体的にどのように解釈、理解していけば良いのかを科学的根拠とともにお話します。

バイオリン講演奏家長又允希

本番前の「失敗するかも」という不安を力にする方法

人前で演奏したり話をする時、緊張や不安で上手くいかなかった。

しかもそれが大切な場面だった。

このような経験をした事がある人は多いのではないでしょうか?

僕も何度もそういう事がありました。

そんな「不安」による失敗を防ぎたいと想いから不安対策の論文や研究をたくさん調べたので簡単に紹介していきたいと思います。

不安感じている時の身体って、、

小学校でのクラスみんなの前での発表、大きなステージでの演奏前、何でも良いので緊張したときのことを思い出してみてください。

心拍数が上がりドキドキしていたと思います。

体内では間違いなくストレスホルモンの量が増えていたでしょう。

次に好きな人への告白前、LINEの返事待ち、長年欲しかったものをついに手にした瞬間など興奮した時のことを思い出してください。

心拍数が上がりドキドキしていたと思います。

体内では間違いなくストレスホルモンの量が増えていたでしょう。

ここまで読んだ方には僕が言いたいことがわかると思います。

「不安」を感じた時も「興奮」を感じた時も、身体に起こる事に違いはありません。

不安と興奮の違いは、心拍数が上がりストレスホルモンが増加したという身体の変化を脳みそがネガティブに「不安」と捉えるかポジティブに「興奮」と捉えるかという違いだけです。

脳の捉え方で結果が変わったという研究

2014年にハーバード大学で行われた研究を紹介したいと思います。

研究では心配や不安を感じた時に「あること」をしただけで、

・カラオケの正確さ17%アップ

・スピーチの評価17%アップ

・数学のテストの成績22%アップ

という素晴らしい成績を収めることが出来ました。

「あること」とはとても簡単なことで、

「燃えてきた」「楽しなってきた」「ワクワクする」と叫ぶ

だけです。

不安も興奮も、身体に起こった反応は同じなので、「ワクワクしてる」と口に出すことで、無理矢理脳にこの身体の反応は「不安を感じてるわけじゃなくて興奮してるんだ」と解釈させているというわけです。

「ワクワクしてきた」と口にするだけなら簡単に出来るので不安を感じた時に是非やってみてください。

この研究だけだと「まさかこれだけで緊張を何とかできるはずが」と思われてしまいそうですが、安心してください。

これからガンガン不安・緊張対策を紹介していこうと思います。

具体的には、不安を感じた時の方が上手くいく事とその方法などを紹介いく予定です。

不安対策を今すぐ知りたいという方は、僕の論文の仕入れ先であり、僕のブログの何倍もわかりやすく詳しく解説してある神ブログ「パレオな男」で不安対策など検索してみてください。

今回の記事はここまでにしたいと思います。

ありがとうございました。

バイオリン講演奏家長又允希

ご紹介、最強の心理テスト

性格に関する研究は数多くあります。

例えば勤勉な人は結果を残しやすい、臆病な人がうまくコミュニケーションを取る方法、好みの音楽と性格などです。

今回はそのような研究を紹介するのではなく、どのように勤勉、臆病といった性格を判別しているのかご紹介したいと思います。

ビッグファイブ

ビッグファイブと言う言葉はご存知でしょうか?

  • 開放性
  • 誠実性
  • 外向性
  • 協調性
  • 神経症的傾向

人間の性格を上記の5つの要素に分類した理論で、これらの要素が自分の性格において高いか低いか中間に位置するか判別するテストです。

だいたいの性格が関連する研究ではビッグファイブを元に行われています。

自分の性格を知りたいと言う方はまずこのテストをやってみるのが良いでしょう。

スマートフォンのアプリでは「超性格分析」と言うものがありますし、web検索してみるとたくさん出てくるのでぜひやってみてください。

それでは1つずつ解説していきたいと思います。

開放性

わかりやすく言うと「知的好奇心」や「チャレンジ精神」のようなものです。

開放性が高いと、新しいことを受け入れやすい、想像力、空想力がある、冒険好き

開放性が低いと、事務的、型通り、決まったことを繰り返す、懐疑的、新しいことに臆病

という傾向があります。

この要素が高い人は遺伝的要素が大きいと言われています。

誠実性

心理学の世界で、注文されていてこの要素が高いと仕事で成功したり、結婚相手の誠実性が高いと自分が出世しやすかったり、太りにくいなど面白い研究が多くあります。

わかりやすく言うと「真面目さ」です。

誠実性が高いと「計画性がある」「仕事に集中できる」「効率と計画を重んじる」

誠実性が低いと「規範に楽観的」「のびのびしている」「衝動的」

という傾向があります。

誠実性は自分で訓練で変えやすい要素です。

しかし成功を納めたジャズミュージシャンのほとんどが誠実性が低い傾向がある言うデータもあるので低いことが悪いと言う訳ではありません。

外向性

これは言葉通りの意味で、外向性は高い低いで表現するより外交的か内向的かで表現することが多いです。

外向的な人は、「社交的」「新しいもの好き」「他人との交流を好む」

内向的な人は、「一人の時間を好む」「慎重、冷静」「控えめ」

と言う傾向があります。

この外向性は幸福に大きく影響すると言われています。

犬好きの人は外向的、猫好きの人は内向的な事が多いというデータもあるので犬派か猫派かという質問から相手の性格を当てると驚かれるかも知れません。

協調性

協調性も言葉通りの意味です。

協調性が高い人は、「親切」「情が深い」「素直」

協調性が低い人は、「皮肉屋」「対立的」「非友好的」

と言う傾向があります。

この要素は第一印象に大きく関わってくると言われています。

神経症的傾向

わかりやすく言うと「メンタル」です。

神経症的傾向が高い=メンタルが弱く、神経症的傾向が低い=メンタルが強いと考えてください。

神経症的傾向が高いと、「緊張する」「気分屋」「心配性」「傷つきやすい」「欠点を見つけやすい」

神経症的傾向が低いと、「強気」「しっかり者」「立ち直りが早い」

と言う傾向があります。

神経症的傾向が高い人は幸福度が低かったり、ネガティヴになりやすかったり、対人関係で問題が起きる事が多いとされています。

しかし悪い事だらけに見えますが、脳の「扁桃体」と言う危険を察知する部分がとても過敏になっていて小さな危険に気づきやすいと言う良い面もあります。

メンタルを鍛えるにはどうしたら良いかと言う事は、自分の確認のためにも記事にしようと思っているのでお待ちください。

まとめ

ナイフを思い浮かべてください。

そのナイフでは、魚も肉もスパスパ切ることができますがスープを飲むことはできません。

逆にスプーンでは、ステーキを食べることが出来ません。

何が言いたいかと言うと、ナイフにはナイフの使い方があり、スプーンにはスプーンの使い方があると言うことです。

人間の性格でも同じ事が言えると思います。

ビッグファイブの要素が高いから良い、低いから悪いと言うことはありません。

自分を正しく理解し使う事が大切です。

自分のビッグファイブを知っておくと言うことはとても大きな力になると思います。

例えば、神経症的傾向が高いことは悪いことだらけに見えますが、ミスや失敗に敏感なのでステージマネージャー(舞台のセッティングをする人)とかには適材ではないかと思います。

1番大切なのは自分のビッグファイブを理解し、活かす事です。

今後もちょくちょく性格に関する研究を更新予定です。

ぜひ一度ビッグファイブテストをやってみてください。

バイオリン講演奏家 長又允希

科学的に危険な褒め方をしていませんか?

アドラー心理学が一時期大変流行りました。

その中でアドラーは「人を褒めても叱ってもいけない」と言っています。

しかし子どもを褒めることの有効性は実験で証明されてますし、これを読んでいる方も褒めることの大切さは普段から感じていると思います。

ただ褒め方も一歩間違えると効果がないどころか、悪影響を及ぼすものがあることがわかる実験をある本で見つけました。

2種類の褒め方

これは思春期初期の子ども達数百人を対象にした実験です。

まず子ども達全員に難易度高めの知能テスト10 題をやってもらいました。

だいたいの生徒が同じような成績で、終わった後に教師は褒め言葉をかけました。

褒めるに当たって生徒を下記の2つのグループに分け、別の褒め方をします。

  • グループ A 能力を褒める「8 問正解。よくできたわ。頭がすごく良いのね」
  • グループ B 努力を褒める「8 問正解。よくできたわ。よく頑張ったのね」


というようにAでは有能というレッテルを張るような褒め方、Bでは難問を解こうとした努力のみを褒めるようにしました。

成績はまったく変わらないようグループ分けしたのですが、ここから2つのグループは大きな差が生まれていきます。

現れた変化

まずAの子ども達に次の練習問題を選ばせると簡単な問題ばかり選ぶようになりました。

子ども達は、よい成績だった=頭が良いと褒められたので、ボロを出して能力を疑われることを避けるようになったのです。

逆に 9割のBの子ども達は積極的に色々な問題にチャレンジしていくようになりました。


次に AB両グループの子ども全員になかなか解けない難問を出します。


Aのグループは解けないことで、自分は頭が悪いと思うようになり、難しい問題を解くことにも嫌気を感じていました。

また簡単な問題の時は全員楽しいと答えていたが、難問のあとはAのグループは頭がよいと言われる評価が覆る危機と考え少しも楽しくないと答えるようになります。


逆にBのグループは解けないことは当たり前であり、できなければもっと頑張るしかないと考え、より積極的に問題に取り組みました。

そして子ども達は難問も簡単な問題もとても楽しい作業と感じていたようです。

最終的なAB両グループの結果は、このようになりました。

  • Aグループ成績ダウン自信ダウンやさしい問題に取り組んでも回復せず
  • Bグループ成績アップ(難問に積極的に挑戦したことでスキルアップ)

簡単にまとめると能力を褒めると成績が下がり、努力を褒めると成績が上がったということになります。

Aグループに現れたもう1つの特徴

この実験には続きがあり、さらに残念な結果が出ています。

テスト後、「これから他の学校に行くので、その生徒にどんな問題が出たのか教えてあげてください」と用紙を配布しました。

その用紙には、自分の点数を記入する欄も作ってありました。

用紙を集めてみると、恐ろしいことがわかります。

Aグループの生徒の4割が、自分の成績を高めに書いていたのです。

頭が良いと言われただけで、成績も下がり、間違えたことや悪い成績を隠し、嘘をつくようになってしまったのは、なかなか驚きの結果でした。

実際に意識してみて

僕は、この研究を知ったのが夏頃で衝撃を受け、褒める時に気をつけるようになったのですが結構効果があるように感じています。

練習の取り組み方や、注意の仕方を褒めることで生徒の練習することで褒めてもらえるし、練習することが大事なんだなという当たり前のことが前より伝わったのかなと思いました。

また「耳が良い」「才能がある」「なかなかいきなり普通は出来ない」と安直な褒め方は普段からしていないつもりだったのですが、改めて気をつけてみると結構言っていたのだなと感じます。

まとめ

  • 能力を褒めたら、成績が下がり積極性が失われた。
  • 努力を褒めたら、成績が上がり積極性が増した。
  • 能力を褒められると、自分を賢く見せようと愚かな行為に走りやすい。

という結果になりました。

今回の実験はこの本の中で見つけました。

とても良い本なので是非読んでみてください。

マインドセット 「やればできる!」の研究 [ キャロル・S・ドゥエック ]価格:1,836円
(2019/1/8 14:23時点)
感想(4件)

いつか本自体の紹介記事も書くかもしれません。

明日も内容決めていませんが、何か更新します。

バイオリン講演奏家長又 允希